世界の短編映画祭 大御所の監督が敢えて短編映画を作成する事も!
最近では日本でも注目を浴びている短編映画ですが、世界の短編映画祭をいくつか紹介したいと思います。短編映画は上映時間に対し、明確な区分は無いものの、エンドクレジットを含めて30分以内で終わる映画を指します。
日本ではまだ大きく認知はされていませんが、欧米では当たり前のように確立されたカテゴリーです。長編映画監督でデビューを目指す者が習作として作成する事もあり、いわゆる「映画監督の名刺」としても短編映画は作成されています。
映画制作者やプロデューサーは、映画祭の短編映画部門などでこれらの作品を確認し、監督の発掘を行ったりします。また、低予算で制作が出来る事から、映画学校での実習として作成される事もあります。最近では大御所の監督が、敢えて短編映画を作成する事もあったりしますので、そういったことからも見逃せないジャンルにもなっています。
世界の短編映画祭として有名なオーバーハウゼン国際短編映画祭
この登竜門的扱いの短編映画ですが、短編映画のみに特化した映画祭もあります。世界の短編映画祭として有名なのが、オーバーハウゼン国際短編映画祭で、ドイツで開催される世界一古い歴史を持つ短編映画祭です。
参加した映画監督は、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」や「ミリオンダラー・ホテル」等のヴィム・ヴェンダース、「ギャング・オブ・ニューヨーク」や「ディパーテッド」等のマーティン・スコセッシ、「スター・ウォーズ」や「インディ・ジョーンズ」等のジョージ・ルーカスなど、実に多くの大監督が参加しています。
この他に、フランスでは世界最大の短編映画祭と言われる、クレルモンフェラン・ショートフィルムフェスティバルというものがあります。短編映画の世界では、知らぬ者がいないと言われる程、代表的な映画祭です。この映画祭が出身の映画監督は実に多く、ティム・バートン、イーサン・コーエン、ハル・ハートリー、ジム・ジャームッシュ、ジャン・ピエール・ジュネなどは、この映画祭が出身です。
ショートショートフィルムフェスティバル
また、日本にも世界に通用する短編映画祭があり、「ショートショートフィルムフェスティバル」は別所哲也が実行委員会代表を務める、アジア最大級の映画祭です。主に大阪、名古屋、広島などで開催され、2004年にはアカデミー賞の公認映画祭としても認められています。
日本でも短編映画が活性化してきていますが、短編映画を劇場で観る事が出来る環境は整っておらず、短編映画専門の映画館としては下北沢と横浜の2箇所しかありません。
若い大きな可能性を持つ監督を、より多く発掘させるためにも、短編映画を普及していくことはとても大切なことですから今後の普及に期待が寄せられています。